ドイツの実業家・考古学者のハインリッヒ・シュリーマン。
トロイアの遺跡を発見した事でも有名なこの人は、相当な言語オタクだったことでも知られています。
シュリーマンの手にかかれば新たな言語はどの位でマスターできると思いますか?
語学の達人ですよ?
なんと6週間でマスターできるそうです。
この勉強法の初期の頃学んだ英語でも、6ヶ月でマスターできたんだとか。
では彼は一体どんな勉強法を実践したのか。
大きく以下の点です。
①ひたすら音読
②暗唱をして発音チェック(文章を丸ごと覚えて自分で読み上げられるようにする事)
③自分の興味のある事について作文してみる。
④ネイティブに修正してもらったその作文を 暗唱する。
これをみて思った人もいるかもしれません。
「いや、ネイティブの知り合いなんかいないし、、、」
でもこの便利な時代、そういったニーズを満たしてくれるサイトが
存在します。
オススメは 、
Lang-8という相互添削型SNS。
自分が学びたい外国語で書いた文章をネイティブに添削してもらう。その代わりに、日本語を学んでいる人が書いた文章をネイティブのあなたが添削する。
これは外国語を学ぶにはすごく使えるし、また、日本語に関しても
考える機会にもなるのでおもしろいです。
http://blog-ja.lang-8.com/post/23919448777
実際にシュリーマン方式を使ってドイツ語を勉強してみた。
というのも、この言語勉強法は彼の伝記の中に綴られています。1890年に彼が亡くなって随分経っているので、もし本当に彼の方法が万能であれば、今頃はみんな 20ヶ国語くらい喋れていてもおかしくはないし、街の本屋さんに英語に関する本はこんなにも沢山並ばないですよね。私を含め色々なメディア媒体やブログ等でこの内容について書かれていますがそれでもみんなが知っている勉強法ではないし、ましては学校では全然実践されていないですよね。
ということで、半信半疑ながら実際にやってみました。
始めたのは2013年の5月。
初めの2週間で基礎文法を詰め込み(斜め読み)、 1〜2ヶ月は会話でよく使う文章を音読しながら丸暗記しました(①)。また、 2ヶ月目からは同時進行で暗唱をスタートしました(②)。内容はニュースの記事や詩、政治家の演説。母校の言語学の先生に教えを請い、発音のチェックをお願いしていました。
正直なところ、初めのうちはこの暗唱は辛くてたまらなかったです。会話の音読ならまだ実践的で自然と身に付くのですが、文章丸覚えしての暗唱となると日本語ですら難しい。全然覚えられませんでした。お風呂に入る度に1行ずつ覚えていこうと決めたはいいものの、覚える前にのぼせてしまうというのが初めのうちは続きましたが、これが不思議で、根気強く続けていたらどんどんと覚えられるようになってくるんです。 3ヶ月たった頃はもう短時間で覚えられるようになっていました。
また、空いた時間には日記と、その内容に関する作文を気が向いた時にしました(③)。
そしてドイツ人の友達と会う時に添削をしてもらいました(④)。(ただし、あまりそれを暗唱することはせず。)
このような事を続けること半年。私のドイツ語は我ながらなかなかなものに。ペラペラには程遠いものの、 日常会話はできるレベルに達しました。そして我ながらなかなかの発音で喋ることができるようになりました。
学習を始めて7ヶ月目にはドイツ語検定2
級を受験。見事合格!
暗唱が思わぬところで効果を発揮しました。
日本の語学関連の検定試験はやたら文法に関する問題を出してくるのですが、 私が文法として勉強したのはたかだか最初の2週間の斜め読み程度。ドイツ語の文法用語も全然知りません。
でも暗唱している文章が頭の中にあるので、「あ、この時はこういう風に使えばいいのか」と、その文章を参照しながら問題を解くことができました。
このようにある程度できるようになったドイツ語ですが、最近はあまり使わなくなってしまったので多少衰えているのは否めませんし、まだまだネイティブとは程遠いレベルにあります。
実践してみた感想
実践してみて思ったのは確かにこの勉強法はとても効率的で効果のある勉強法であるということ。 一度完全に暗唱できてしまえばその文章はどこにいても引き出せるので教科書やノートがなくてもいつでも復習することができます。
ただし、シュリーマンがやったようなレベルでこの学習をするのは本当に大変な事だと実感しました。
結論
シュリーマン式勉強法を実践すると半年でネイティブになることはできなかったが、「まだ勉強して半年」と言うとネイティブにかなり驚かれる程度には話せるようになる。
かなりオススメです。
シュリーマンと私たちの違いは何か?
頭が良いから20ヶ国語も話せるのか?
いや、それだけではない。 一番の違いは 「情熱」だと思います。
今風に言う所の「モチベーション」。
シュリーマンは小さい頃から「トロイアの遺跡を見つける」という情熱をもってその為に財をなし、古代ギリシャ語を始め数々の言語をマスターしました。 また貧しさから抜け出すため他国へ渡ったので、必然的に語学が必要な環境にありました。 そこで彼の中で「言語」というのが彼の情熱であり大きな目標である「トロイアの遺跡発見」のツールになり、語学にも情熱が注がれたのだと思います。
つまり、私たちがするべきは、
1 自分の人生をかけて成し遂げたい大きな目標を決めること。
2 その大きな目標を達成するための最重要なツールとして「語学」を位置づけてあげること。
なのだと思います。
私の場合、幸いにも自分の情熱を将来成し遂げるには、必然的に語学が必要になってきます。だからこそ言語おたくを名乗っています。しかし一般的には言語学習をしようとは思っていてもなかなか進めることができない人の方が多いと思います。だからこそそういう人たちに「目標のツールとして語学を意味付ける」ことが、私が言語おたくとしてできることなのかなと思います。
面白いので、興味があればシュリーマンの自叙伝
「古代への情熱 −シュリーマン自伝」を読んでみてはいかがでしょうか。
コメント
コメント一覧 (1)
タイミングを著しく逸したコメントですいません。
シュリーマンのかの本通りに実践されたなんて,感動してしまいました。
すごすぎます。
そうして,身をもってあのやり方が正しいことを実証するなんて,本当にすごいです。
私も音読,暗唱頑張ります!!